



映画制作を学ぶ
映画制作を学ぶ、とは一体どういうことでしょうか?
ずばり映画監督を目指す、ということではありません。
もちろん映像業界に就く、ということでもありません。
理由は人それぞれですが、映像を学校で学んだ人の五割以上が映像業界に残らないことを僕らは知っています。
では何のために学ぶのか?
私はこれまで10年以上、映画(映像)制作を職業としていない方々と一緒に映画を作ってきました。小学生から70歳以上の方々など実に様々な経歴の方と関わってきました。
一番多いのは18歳から20歳の若者です。
映像制作技術、メディアリテラシー能力、コミュニケーション能力、問題解決力、
忍耐力、社会性、反社会性、知力、体力、時の運・・・
映画制作を通して得られる力はたくさんあります。
ありますが、
それらの根源で真に大切な、今、私たちが必要とする力は一つです。
それは、想像力です。
他人の痛みを想像する力です。
他人の痛み・哀しみ・憎しみを想像するのは、とても不愉快な力です。
できれば遠ざけたい、強い人ほど持ちたくない力です。
人間の弱さだからです。
弱さを忘れた強い人たちは、攻撃をします。
攻撃は、必ず自分に返ってきます。
そして思い出すのです。人間は、弱い生き物であると。
人間の弱さを忘れないために、私たちは想像力を持つのだと思うのです。
そして弱い弱い生き物であった人間は、
自然と共存し、繁殖し、生きる知恵を身につけたのだと思います。
そのために、想像力を育む物語が、映画が、世界には必要なのです。
映画制作を学ぶということは、『世界(社会)の中で豊かに生きていく力』を身につけるということなんだと思います。
あ、もちろん単純に最高に面白い映画を作りたいという方、絶対プロの映画監督を目指すという方、大歓迎です!
田中博之
各務原市CMワークショップの撮影風景(写真・上二枚)
専門学校名古屋ビジュアルアーツの実習風景(写真・下二枚)